AIの作り方|自社で作る場合と外部に任せる場合の判断基準

2026.09.30
AIの作り方|自社で作る場合と外部に任せる場合の判断基準

この記事の結論

AIは「目的とデータの準備→モデルの選定→学習・評価→運用・改善」の4ステップで作られ、ノーコードツールやPythonを使えば個人でも基本的なモデルは作れます。ただし事業として使うには、データ整備・セキュリティ・運用体制・PoCの先の本番化という壁があり、内製か外注かは「目的の明確さ」「人材とデータ基盤」「PoC後の体制」「セキュリティ要件」「スピードとコスト」の5つの基準で判断するのが現実的です。

この記事で分かること
  • AIの基本的な仕組みと「作り方」の全体像
  • Python・ノーコードツールを使った具体的な始め方
  • 個人の「作り方」と、企業が事業としてAIを開発することの違い
  • 自社で内製すべきか、外部に任せるべきかを判断する5つの基準
  • AI開発を外部委託する際に確認すべきポイント

「AIを作ってみたいが、何から手をつければいいか分からない」「自社の業務でも生成AIを作れるのではないか」。そう考え始めた方は多いのではないでしょうか。

本記事では、個人でも実践できるAIの基本的な作り方から、企業が事業としてAIを開発する場合に何が変わるのか、そして自社で内製すべきか外部に任せるべきかの判断基準までを解説します。

CLINKSは、導入支援実績600社以上の知見をもとに生成AIシステムの受託開発を手がける一方、自社1,290名(2026年6月時点)の社員自身が生成AIを日常業務で使う当事者でもあります。この記事では、その両方の立場から得た知見をお伝えします。読み終える頃には、自社で作れる範囲と、内製と外注のどちらが自社に合っているかを判断できる状態になっているはずです。

「社内システムとして、AI開発を推進する場合に具体的に何ができる?」「具体的にどのようなAIが業務活用されているのか実例が知りたい」など、AI開発に関する事例やCLINKSの開発実績、具体的な支援内容については、以下のページでご確認いただけます。

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目次
  1. そもそもAIの「作り方」とは?基本の仕組みを理解する
  2. 【個人でもできる】AIの作り方・基本の4ステップ
  3. プログラミングでAIを作る方法(Python)
  4. ノーコードでAIを作る方法
  5. 個人の「作り方」と、企業が事業としてAIを作ることの違い
  6. 生成AI開発は内製できるか?判断基準5つのチェックポイント
  7. 外部に任せる場合の選び方とCLINKSの支援内容
  8. AIの作り方に関するよくある質問
  9. 自社に合ったAIの作り方を選ぶポイント

そもそもAIの「作り方」とは?基本の仕組みを理解する

AIを作るとは、データを学習させて「予測・判断の仕組み(AIモデル)」を組み上げることです。まず、AI・機械学習・ディープラーニングの関係と、AIモデルがどう作られるかを整理します。

AIとは何か?機械学習・ディープラーニングとの違い

AIとは、人間の知的な作業をコンピューターに行わせる技術の総称です。

その中でも、データからパターンを学習する技術を「機械学習」と呼びます。さらに、人間の脳の仕組みを模した「ニューラルネットワーク」という構造を使い、多層的に学習する手法が「ディープラーニング(深層学習)」です。

つまり、AI>機械学習>ディープラーニングという包含関係になります。この記事で扱う「AIの作り方」は、主に機械学習・ディープラーニングによってAIモデルを構築する方法を指します。

AIモデルとは?仕組みと作られ方の基本

AIモデルとは、大量のデータを学習した結果として出来上がる「予測・判断の仕組み」のことです。

作られ方の流れはシンプルです。

  • 学習データを用意する
  • データの特徴をモデルに学習させる
  • 新しいデータに対して予測・判断(推論)を行う

この基本フローが、次の章で紹介する4ステップの土台になります。

【個人でもできる】AIの作り方・基本の4ステップ

AIの作り方・基本の4ステップ

AIモデルの作り方は、次の4ステップに整理できます。個人の学習でも、企業の開発でも、この流れは変わりません。

ステップ 概要
ステップ1 目的とデータの準備
ステップ2 モデル・学習方法の選定
ステップ3 学習・評価
ステップ4 運用・改善

ステップ1:目的の設定とデータの準備

まず「何を予測・判断させたいか」を明確にします。画像を分類したいのか、数値を予測したいのかによって、必要なデータの種類が変わります。

データ量の目安は用途によって異なりますが、簡単な画像分類であれば数十〜数百枚、精度を求める用途では数千件以上が必要になるケースが一般的です。

ステップ2:モデル・学習方法の選定

目的に応じて、使うモデルの種類(画像分類、回帰予測、自然言語処理など)を選びます。この段階で、後述するPython(プログラミング)とノーコードツールのどちらで進めるかも決まります。

ステップ3:学習・評価

準備したデータをモデルに学習させ、精度を評価します。学習データだけでなく、未知のデータ(検証データ)でも正しく機能するかを確認することが重要です。

精度が不十分な場合は、データを見直したりモデルの設定を調整したりする試行錯誤が発生します。この試行錯誤の回数が、開発期間を左右する要因の一つです。

ステップ4:運用・改善

作ったAIモデルを実際に使い始めた後も、新しいデータで定期的に再学習させることで精度を維持・向上させます。個人の学習目的であればここで完結しますが、事業として使う場合はこの先の運用体制が課題になります(詳細は「個人の『作り方』と、企業が事業としてAIを作ることの違い」の章で解説します)。

個人の『作り方』と、企業が事業としてAIを作ることの違い

プログラミングでAIを作る方法(Python)

自分でコードを書いてAIを作る場合、選択肢はほぼPythonに絞られます。理由と、代表的なライブラリを紹介します。

Pythonが使われる理由

AI・機械学習の開発では、Pythonが最も広く使われているプログラミング言語です。理由は、機械学習用のライブラリが豊富に揃っており、少ないコード量でモデルを構築できるためです。

代表的なライブラリと役割

代表的なライブラリには、機械学習の基本的なアルゴリズムを扱う「scikit-learn」や、ディープラーニング向けの「TensorFlow」「PyTorch」などがあります。目的に応じてこれらを使い分けます。

Pythonでの具体的な始め方や環境構築については、以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。

関連記事:PythonでAI開発を始めるには?選ばれる理由と代表的なライブラリ

ノーコードでAIを作る方法

プログラミングの知識がなくても、AIモデルを作成できるツールがあります。代表的な2つを紹介します。

ツール 提供元 特徴
Teachable Machine Google ブラウザ上で画像・音声・ポーズの分類モデルを直感的に作成できる
Prediction One ソニーネットワークコミュニケーションズ 表形式データをもとに、クリック操作だけで需要予測・顧客分析などのモデルを作成できる

Teachable Machine

Teachable Machineは、Googleが提供するブラウザベースのツールです。画像・音声・姿勢(ポーズ)のデータをアップロードするだけで、分類モデルを作成できます。プログラミングの学習を始める前に、AIの仕組みを体感する用途に向いています。

Prediction One

Prediction Oneは、クリック操作だけで予測分析ができるよう設計されており、機械学習やプログラミングの専門知識は必要ありません。クラウド版とデスクトップ版が用意されており、機密性の高いデータを扱う場合は、データをクラウドにアップロードせずに済むデスクトップ版を選ぶことで情報漏えいのリスクを避けられます。

※ノーコードAIツールは提供状況の変化が早い分野です。ツールを選ぶ際は、必ず公式サイトで最新の提供状況をご確認ください(本記事は2026年9月時点の情報です)。

個人の「作り方」と、企業が事業としてAIを作ることの違い

ここまでは、個人でも実践できるAIの作り方を解説してきました。しかし、これを「事業」として展開しようとすると、個人レベルでは見えなかった壁に直面します。次の4つの観点で違いを整理します。

論点 個人レベル 事業レベル
データ量・スケール 小規模データで検証可能 業務データの整備・品質管理が必要
セキュリティ・ガバナンス 個人利用の範囲で完結 情報漏洩対策・社内ルール整備が必須
保守・運用体制 作って終わりでよい場合が多い 継続的な運用・改善体制が必要
PoCの先 検証で完結してよい 本番化・全社展開まで求められる

データ量・スケールの壁

個人の学習目的であれば、数百件のデータで十分な場合もあります。しかし事業として使う場合、実際の業務データは表記ゆれや欠損値が多く、想定より整備に時間がかかるケースが少なくありません。

セキュリティ・ガバナンスの壁

事業として生成AIを扱う場合、顧客情報や社外秘データを扱う機会が増えるため、情報漏洩対策が不可欠になります。情報漏洩が起きる仕組みと防止策は、以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。

関連記事:生成AIの情報漏洩が起きる仕組みと業務で安全に運用するための防止策

保守・運用体制の壁

個人の作品であれば作って終わりでも問題ありません。しかし事業で使うシステムは、担当者の異動や退職後も運用を続けられる体制が必要です。

CLINKSが自社実践で直面した内製の壁

「CLINKSが自社実践で直面した内製の壁

当社は、「自分たちが使えないものは、お客様に提案しない」という方針のもと、自社でも生成AIの活用を推進してきました。

その一環として2026年4月に開発・運用開始した社内AI週報システム「シグミル」では、週次提出率85.3%、アラート検知2,775件、アラート対応率30.5%となっています(当社実績、2026年8月時点)。対応率は、対応を必須ルールにしていない段階の数字ではありますが、「仕組みを作ること」と「組織に定着させること」の間には、当社であっても差があるというのが実感値です。

こうした経験を踏まえ、当社では社員のAI活用度を「AIリテラシー」「AIユーザー」「AIアドバンスユーザー」「AIアーキテクト」の4段階に区分し、段階に応じた育成を行っています。作ること自体よりも、作った後にどう定着させるかのほうが難易度が高いというのが、自社実践から得た一次情報です。当社のAI活用と人材育成の全体像は、以下の記事で紹介しています。併せてご覧ください。

関連記事:「導入して終わり」にしない!CLINKSが実践する生成AI活用とAI人材育成の全戦略

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こんなご相談を承っています

  • 自社でどこまで作れるか整理したい
  • PoCで止まっているプロジェクトを本番化したい
  • セキュリティ要件を含めて設計してほしい

生成AI開発は内製できるか?判断基準5つのチェックポイント

判断基準5つのチェックポイント

「作り方」の基本と、事業レベルとの違いを踏まえたうえで、自社が内製すべきか外注すべきかを判断する基準を5つ紹介します。

判断基準 確認ポイント
目的とスコープ 何を・どこまで作るかが明確か
社内リソース AI人材・データ基盤が揃っているか
PoC後の体制 検証で終わらせない仕組みがあるか
セキュリティ要件 ガバナンスを整備できるか
スピードとコスト 内製と外注、どちらが現実的か

判断基準1:目的とスコープが明確か

「AIで何かできないか」という漠然とした状態のままでは、内製・外注いずれの場合も進め方が定まりません。まずは解決したい業務課題を具体化することが出発点です。

判断基準2:社内にAI人材・データ基盤があるか

経済産業省が2019年に公表したIT人材需給に関する調査によれば、2030年には最大で約79万人、需要の伸びが中位で推移した場合でも約45万人のIT人材が不足すると試算されています。その中でも、AIやビッグデータなど専門性の高い「先端IT人材」に限ると、2030年時点で約12.4万人が不足すると予測されています。

また、IPAのディスカッション・ペーパー「DX動向2025-AI時代のデジタル人材育成」(2025年10月)は、IPA「DX動向2025」の結果として、日本企業の85.1%でDXを推進する人材が不足しており、米独と比べて著しく高い水準にあると指摘しています(IPA「DX動向2025-AI時代のデジタル人材育成」)。

社内にAI関連のスキルを持つ人材が十分にいるか、育成できる体制があるかは、内製可否を左右する現実的な判断材料です。

判断基準3:PoCで終わらせない体制があるか

当社がご相談を受ける案件でも、PoC(概念実証)までは進んだものの、本番運用への移行で止まっているケースが少なくありません。「精度が何%なら本番に進めるか」「誰が最終判断するか」といった基準を、PoC開始前に決めておけるかが分かれ目です。PoCから本番化までの流れは、以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。

関連記事:AI開発をPoCから本番化するための流れと失敗を防ぐポイント

判断基準4:セキュリティ・ガバナンス要件を満たせるか

事業でAIを扱う場合、アクセス権限の設計、入力してよい情報の範囲、出力の確認フローといったガバナンスを、開発と並行して整備する必要があります。総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン」は2026年3月公表の第1.2版で、外部システムと連携するAIの権限設定や人の判断の介在についても留意点を示しています。

自社でこうした要件を設計・維持できる体制があるか、ISMS等の認証を取得した外部パートナーに任せるべきかは、慎重に見極める必要があります。

判断基準5:スピードとコストのどちらを優先するか

内製は初期投資を抑えられる一方、立ち上げに時間がかかる傾向があります。外注はスピードを確保しやすい一方、要件定義の精度が費用対効果を左右します。どちらが自社にとって現実的かは、社内リソースの状況次第で変わります。外注時の判断軸は、以下の記事で整理しています。併せてご覧ください。

関連記事:AI開発を外注する際の判断軸と要件定義から運用までの進め方

外部に任せる場合の選び方とCLINKSの支援内容

外注を選ぶ場合に、開発会社をどう比較するか、当社が何を提供できるかを整理します。

AI開発会社を選ぶ際に見るべきポイント

外部に依頼する場合、次の観点で開発会社を比較することをおすすめします。

  • 要件定義からPoC、本番開発、運用保守まで一貫して対応できるか
  • 過去の開発実績や事例を公開しているか
  • セキュリティ認証(ISMS等)を取得しているか

CLINKSのAI受託開発の強みと実績

当社は、契約企業600社以上との取引で培ったシステム開発の実績をもとに、生成AI領域でも、要件整理からPoC、本番開発、運用保守までを一貫して支援しています。

公表済みの開発事例としては、ヤマハミュージックジャパン様向けのAI入稿管理システム(OpenAI AgentBuilder/Agent SDK・Next.js・AWSを使用し、開発期間は約1.5ヶ月)や、大和ハウスリアルティマネジメント様向けの法定点検管理システム(年間約8,000社・300項目の法定点検をWeb上で完結)があります(当社実績)。より幅広い事例は、以下の記事で紹介しています。併せてご覧ください。

関連記事:AI活用事例10選!AIを単なる便利ツールで終わらせないための考え方

自社でどこまで作れるか判断がつかない、PoCの先に進めずに困っているという方は、まずは無料相談で状況を整理することをおすすめします。

AIの作り方に関するよくある質問

以下では、AIの作り方に関するよくある質問をまとめました。

AIは個人でも作れますか?

はい。Teachable MachineのようなノーコードツールやPythonの機械学習ライブラリを使えば、個人でも基本的なAIモデルを作成できます。

AIを作るのに必要なプログラミングスキルは?

本格的な開発にはPythonの知識が役立ちますが、ノーコードツールを使えばプログラミングの知識がなくても作成できます。

生成AIの開発は内製できますか?

社内にAI人材とデータ基盤が整っていれば内製も可能ですが、PoCの先の本番運用まで見据えた体制づくりが課題になるケースが多く見られます。

AI開発にかかる期間の目安は?

案件の規模や要件によって大きく異なります。当社の事例では、対象工程を絞った開発で約1.5ヶ月というケースがあります(当社実績)。範囲を広げれば期間は伸びます。

まず何から始めればよいですか?

まずは解決したい業務課題を明確にすることが出発点です。自社で進めるべきか判断がつかない場合は、無料相談で状況を整理することもできます。

自社に合ったAIの作り方を選ぶポイント

AIの作り方は4ステップに整理でき、個人でも基本的なモデルは作れます。一方で事業として使うには、データ整備・セキュリティ・運用体制・PoCの先の本番化という壁があり、内製か外注かは5つの判断基準で見極めることが出発点になります。

企画からPoC、運用までの進め方全体は、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

関連記事:AI開発ロードマップとは?企画・PoC・運用までの実装に向けた進め方

CLINKSでは、ISMS認証・プライバシーマーク取得のもと、社員1,290名(※2026年6月時点)の自社実践と豊富な開発実績、多数の生成AIパスポート取得者を擁する体制で、要件整理からPoC、本番開発、運用保守までのAI開発を一貫支援しています。自社でどこまで作れるか、どこから外部に任せるべきか、判断がつかない段階でも状況の整理からご相談いただけます。生成AIを法人向けに安全に活用したい方には、当社が自社実践で得た知見を反映した法人向け生成AIプラットフォーム「ナレフルチャット」もご検討いただけます。

CLINKSのサービス詳細、開発実績については、以下の資料でもご確認いただけます。

※本記事の情報は2026年9月時点のものです。

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