退職代行、職種1位はIT職。2700件の異変をAIが検知する「見えない現場」対策とは

2026.08.20

AIサービスやシステム開発を手掛けるCLINKS株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:河原浩介)は、退職代行利用者の職種1位がIT職という現実を踏まえ、社員の8割が客先常駐という「見えない現場」の異変をAIが自動で検知する仕組みを社内独自に構築し、2026年度より本格運用を開始しました。

IT業界に突きつけられた、人間関係の課題と「見えない現場」の現実

退職代行サービスの利用者急増が続くなか、利用者の職種1位が「情報処理・通信技術職」であることが明らかになっています(※1)。退職代行利用者と一般離職者を比較すると「直属上司との関係」への不満に特に大きなギャップがあり(※1)、上司への恐怖心や孤立感から”相談できないまま限界を迎える”構図が浮かび上がります。一方、退職代行の利用有無を問わず、離職全般で見ると、離職の原因の第1位は「職場の人間関係」です(※2)。さらに、「相談ネットワークの多さ」「チームワークの良さ」は離職意向を下げることも確認されており(※1)、日常のコミュニケーションの質が定着率に直結していると考えられます。

こうした業界全体の課題に加え、CLINKSでは全社員1,291名のうち約8割が客先常駐というSES形態で働くという企業特性があります。これにより、物理的に離れた場所にいるメンバーの「見えない現場」の実態把握が困難であるという構造的な課題を抱えていました。頑張りが正しく評価されないリスクや、離職の予兆を見逃すリスクが、経営課題に直結することも明らかになっています。

上記の課題を背景に、CLINKSが着目したのが「週次報告書(略称:週報) 」です。メンバーの状態変化は、日々の業務報告の文章ににじみ出ます。しかし週報は提出されても、マネージャーが全員分を丁寧に読み込む時間はなく、異変のサインは埋もれたまま見過ごされがちです。「気づいていれば一言声をかけられたはずだった」——その構造的な問題を解消するために、「シグミル」は開発されました。

「シグミル」とは

シグミル(社員の「シグナル」を「ミル」)は、AIが週報を自動分析し、メンバーの状態変化を毎朝10時に自動検知・通知する社内向けAI週報システムです。離職予兆を見逃すリスクだけでなく、頑張りが正しく評価されないリスクにもつながる「見えない現場」の実態を可視化し、離職防止と公正な評価の両方を同時に実現する取り組みです。

① 異変を自動検知、根拠もその場で確認
AIが週報テキストを自動分析し、トーン・キーワード・記述量の変化などから通常と異なるシグナルを検知。該当箇所はハイライト表示で色分けされるため、マネージャー は一目で注目すべき内容を把握できます。「なぜアラートが出たのか」という分析根拠もワンクリックで確認でき、AIの判断をマネージャー自身が吟味したうえで次のアクションを判断できます。

② 推奨メッセージを生成→Google Chatへワンクリック
アラート検知後は、そのメンバーに送るべきメッセージ内容をAIが自動生成・提示。状況や関係性に応じて自身の言葉でアレンジしながら使うことができます。ワンクリックでGoogle Chatに遷移できるため、「気づく→考える→連絡する」という一連のアクションが最短で完結。忙しいマネージャーでも、確実に動ける仕組みです。

③ 提出状況の一元管理
チーム全員の提出状況をダッシュボードで可視化。推奨メッセージ・週報内容・推奨アクション(優先度順)が表示され、週報運用の形骸化を防ぎます。

開発責任者コメント

2026年4月よりシグミルを導入し、週次提出率は85.3%、アラート検知数は2,775件にのぼり、これまで見過ごされがちだった小さな変化まで拾えるようになりました。対応率は30.5%とまだ発展途上ですが、必須ルールにしていないなかでこの数字が出ているのは、『気づいたら動く』という文化が現場に根付き始めている証だと捉えています。今後は対応の仕組み化を進め、この数字をさらに高めていくのが次の目標です。

現場からも『提出状況が一覧で見えて楽になった』『AIが重要な内容を拾ってくれるので見落としが減った』といった声が届いており、確かな手応えを感じています。まだ発展途上のシステムですが、使いながら育てていくつもりで、これからも改善を続けていきます。

システム開発事業部 取締役 金森 大

今後の展望

現在運用中のネガティブな予兆検知に加え、常駐社員の「埋もれた活躍」を検知し、適正評価を支援する「ポジティブシグナル」検知機能についても、2026年内のリリースを目標に開発を進めています。
今後は社員の状態スコアの導入や過去データの蓄積による精度向上を予定しており、使いながら育てていく方針です。
外販を前提とせず、自社の組織マネジメント強化施策として位置づけているからこそ、実運用のフィードバックを迅速に反映できる開発体制を維持しています。将来的には人事評価やキャリア支援制度との連携拡張も見込んでおり、SES比率の高い当社にとって長期的な組織基盤となる取り組みです。

※1 パーソル総合研究所「離職の変化と退職代行に関する定量調査」
※2 厚生労働省「令和6年上半期 雇用動向調査 結果の概要」


【会社概要】
■会社名:CLINKS株式会社
■代表者:代表取締役 河原浩介
■設立:2002年12月
■所在地:東京都中央区八丁堀1-10-7 TMG八丁堀ビル10F
■URL:https://www.clinks.jp
■主な事業内容:
 1. ITアウトソーシング事業
 2. システム開発事業
 3. AIサービス事業
 4. 教育訓練事業

【本リリースに関する報道関係者お問い合わせ先】
■CLINKS株式会社 広報部
■TEL:03-6262-8135
■Email:pr@clinks.jp

一覧へ戻る